ポリマーと元素分析

 毎年JASIS(分析機器展)が9月に行われます。今年のご案内が早くも郵送されてきました。伝導性ポリマーでノーベル賞を授与された白川先生が、分析機器展で講演されたときのお話ですが、講演の中でたびたび質量分析が出てきましたが、元素分析が一言も出ない。そのころは、分析機器として質量分析やNMR,赤外、元素分析が4種の機器で専任のオペレータがついて利用が盛んでした。1000人くらいの聴衆の中で気おくれがありましたが、これは重要と思い、質問しました。自分は元素分析を長年担当していること、ご研究には元素分析もお使いと思うが、お役に立ちましたか?

すると、非常に役に立ったお話を大変丁寧にずいぶん長く話してくださいました。外注のため料金が高く困ったことなど・・。その時の喜びが元素分析を新しい方法で役に立てたいと思う研究意欲になっています。化学の基本として面白い応用ができそうです。

元素分析と化学

元素分析はそもそもあらゆるものが元素でできているというところからが出発点。化学の始まりに貢献した分析技術を偶然かかわることになって、以来、東北大学及び静岡県立大学で約8万件を分析しています。起業してから約1万件。合成薬品以外に材料や食品、土壌、木材、菌類、金属中の炭素など・・想定外の試料もチャレンジしてきました。テクニカルショウヨコハマ2019出展会場で壁一面に絵を書いて居られる方に出会い、絵がとても気に入ったので、化学はどんなふうに表現されますか?と尋ねたところ、あなたを書いてあげると左の図を書いてくれました。フラスコを持っている女性・・私です。ハロゲン・硫黄の分析をフラスコ燃焼法で行っているので、まさにぴったりで、元素分析=化学=フラスコとつながりました。有機化学の基礎の元素分析は高度な機器類の出現で利用が減りましたが、なくしてはならない技術です!

新しい利用の仕方を模索しながら、存続を目指して頑張っております。